10. 標準ライブラリミニツアー — Python 3.5.3 ドキュメント
10.1. OSへのインタフェース¶
os モジュールは、オペレーティングシステムと対話するための多くの関数を提供しています:
>>> import os >>> os.getcwd() # Return the current working directory 'C:\\Python35' >>> os.chdir('/server/accesslogs') # Change current working directory >>> os.system('mkdir today') # Run the command mkdir in the system shell 0
from os import * ではなく、 import os 形式を使うようにしてください。そうすることで、動作が大きく異なる組み込み関数 open() が os.open() で遮蔽されるのを避けられます。
組み込み関数 dir() および help() は、 os のような大規模なモジュールで作業をするときに、対話的な操作上の助けになります:
>>> import os >>> dir(os) <returns a list of all module functions> >>> help(os) <returns an extensive manual page created from the module's docstrings>
ファイルやディレクトリの日常的な管理作業のために、より簡単に使える高水準のインタフェースが shutil モジュールで提供されています:
>>> import shutil >>> shutil.copyfile('data.db', 'archive.db') 'archive.db' >>> shutil.move('/build/executables', 'installdir') 'installdir'
10.2. ファイルのワイルドカード表記¶
glob モジュールでは、ディレクトリのワイルドカード検索からファイルのリストを生成するための関数を提供しています:
>>> import glob >>> glob.glob('*.py') ['primes.py', 'random.py', 'quote.py']
10.3. コマンドライン引数¶
一般的なユーティリティスクリプトでは、よくコマンドライン引数を扱う必要があります。コマンドライン引数は sys モジュールの argv 属性にリストとして保存されています。例えば、以下の出力は、 python demo.py one two three とコマンドライン上で起動した時に得られるものです:
>>> import sys >>> print(sys.argv) ['demo.py', 'one', 'two', 'three']
getopt モジュールは、 sys.argv を Unix の getopt() 関数の慣習に従って処理します。より強力で柔軟性のあるコマンドライン処理機能は、 argparse モジュールで提供されています。
10.4. エラー出力のリダイレクトとプログラムの終了¶
sys モジュールには、 stdin, stdout, stderr を表す属性も存在します。 stderr は、警告やエラーメッセージを出力して、 stdout がリダイレクトされた場合でも読めるようにするために便利です:
>>> sys.stderr.write('Warning, log file not found starting a new one\n') Warning, log file not found starting a new one
sys.exit() は、スクリプトを終了させるもっとも直接的な方法です。
10.5. 文字列のパターンマッチング¶
re モジュールでは、より高度な文字列処理のための正規表現を提供しています。正規表現は複雑な一致検索や操作に対して簡潔で最適化された解決策を提供します:
>>> import re >>> re.findall(r'\bf[a-z]*', 'which foot or hand fell fastest') ['foot', 'fell', 'fastest'] >>> re.sub(r'(\b[a-z]+) \1', r'\1', 'cat in the the hat') 'cat in the hat'
最小限の機能だけが必要なら、読みやすくデバッグしやすい文字列メソッドの方がお勧めです:
>>> 'tea for too'.replace('too', 'two') 'tea for two'
10.6. 数学¶
math モジュールは、浮動小数点演算のための C 言語ライブラリ関数にアクセスする手段を提供しています:
>>> import math >>> math.cos(math.pi / 4) 0.70710678118654757 >>> math.log(1024, 2) 10.0
random モジュールは、乱数に基づいた要素選択のためのツールを提供しています:
>>> import random >>> random.choice(['apple', 'pear', 'banana']) 'apple' >>> random.sample(range(100), 10) # sampling without replacement [30, 83, 16, 4, 8, 81, 41, 50, 18, 33] >>> random.random() # random float 0.17970987693706186 >>> random.randrange(6) # random integer chosen from range(6) 4
statistics モジュールは数値データの基礎的な統計的特性(平均、中央値、分散等)を計算します:
>>> import statistics >>> data = [2.75, 1.75, 1.25, 0.25, 0.5, 1.25, 3.5] >>> statistics.mean(data) 1.6071428571428572 >>> statistics.median(data) 1.25 >>> statistics.variance(data) 1.3720238095238095
SciPy プロジェクト <https://scipy.org> は数値処理のための多くのモジュールを提供しています。
10.7. インターネットへのアクセス¶
インターネットにアクセスしたりインターネットプロトコルを処理したりするための多くのモジュールがあります。最も単純な2つのモジュールは、 URL からデータを取得するための urllib.request と、メールを送るための smtplib です:
>>> from urllib.request import urlopen >>> with urlopen('http://tycho.usno.navy.mil/cgi-bin/timer.pl') as response: ... for line in response: ... line = line.decode('utf-8') # Decoding the binary data to text. ... if 'EST' in line or 'EDT' in line: # look for Eastern Time ... print(line) <BR>Nov. 25, 09:43:32 PM EST >>> import smtplib >>> server = smtplib.SMTP('localhost') >>> server.sendmail('soothsayer@example.org', 'jcaesar@example.org', ... """To: jcaesar@example.org ... From: soothsayer@example.org ... ... Beware the Ides of March. ... """) >>> server.quit()
(2つ目の例は localhost でメールサーバーが動いている必要があることに注意してください。)
10.8. 日付と時刻¶
datetime モジュールは、日付や時刻を操作するためのクラスを、単純な方法と複雑な方法の両方で提供しています。日付や時刻に対する算術がサポートされている一方、実装では出力の書式化や操作のための効率的なデータメンバ抽出に重点を置いています。このモジュールでは、タイムゾーンに対応したオブジェクトもサポートしています。
>>> # dates are easily constructed and formatted >>> from datetime import date >>> now = date.today() >>> now datetime.date(2003, 12, 2) >>> now.strftime("%m-%d-%y. %d %b %Y is a %A on the %d day of %B.") '12-02-03. 02 Dec 2003 is a Tuesday on the 02 day of December.' >>> # dates support calendar arithmetic >>> birthday = date(1964, 7, 31) >>> age = now - birthday >>> age.days 14368
10.9. データ圧縮¶
一般的なデータアーカイブと圧縮形式は、以下のようなモジュールによって直接的にサポートされます: zlib, gzip, bz2, lzma, zipfile, tarfile。
>>> import zlib >>> s = b'witch which has which witches wrist watch' >>> len(s) 41 >>> t = zlib.compress(s) >>> len(t) 37 >>> zlib.decompress(t) b'witch which has which witches wrist watch' >>> zlib.crc32(s) 226805979
10.10. パフォーマンスの計測¶
Python ユーザの中には、同じ問題を異なったアプローチで解いた際の相対的なパフォーマンスについて知りたいという深い興味を持っている人がいます。Python は、そういった疑問に即座に答える計測ツールを提供しています。
例えば、引数の入れ替え操作に対して、伝統的なアプローチの代わりにタプルのパックやアンパックを使ってみたいと思うかもしれません。 timeit モジュールを使えば、パフォーマンスがほんの少し良いことがすぐに分かります:
>>> from timeit import Timer >>> Timer('t=a; a=b; b=t', 'a=1; b=2').timeit() 0.57535828626024577 >>> Timer('a,b = b,a', 'a=1; b=2').timeit() 0.54962537085770791
timeit では小さい粒度を提供しているのに対し、 profile や pstats モジュールではより大きなコードブロックにおいて律速となる部分を判定するためのツールを提供しています。
10.11. 品質管理¶
高い品質のソフトウェアを開発するための一つのアプローチは、各関数に対して開発と同時にテストを書き、開発の過程で頻繁にテストを走らせるというものです。
doctest モジュールでは、モジュールを検索してプログラムの docstring に埋め込まれたテストの評価を行うためのツールを提供しています。テストの作り方は単純で、典型的な呼び出し例とその結果を docstring にカット&ペーストするだけです。この作業は、ユーザに使用例を与えるという意味でドキュメントの情報を増やすと同時に、ドキュメントに書かれているコードが正しい事を確認できるようになります:
def average(values): """Computes the arithmetic mean of a list of numbers. >>> print(average([20, 30, 70])) 40.0 """ return sum(values) / len(values) import doctest doctest.testmod() # automatically validate the embedded tests
unittest モジュールは doctest モジュールほど気楽に使えるものではありませんが、より網羅的なテストセットを別のファイルで管理することができます:
import unittest class TestStatisticalFunctions(unittest.TestCase): def test_average(self): self.assertEqual(average([20, 30, 70]), 40.0) self.assertEqual(round(average([1, 5, 7]), 1), 4.3) with self.assertRaises(ZeroDivisionError): average([]) with self.assertRaises(TypeError): average(20, 30, 70) unittest.main() # Calling from the command line invokes all tests
10.12. バッテリー同梱¶
Python には “バッテリー同梱 (batteries included)” 哲学があります。この哲学は、洗練され、安定した機能を持つ Python の膨大なパッケージ群に如実に表れています。例えば:
xmlrpc.clientおよびxmlrpc.serverモジュールは、遠隔手続き呼び出し (remote procedure call) を全く大したことのない作業に変えてしまいます。モジュール名とは違い、XML を扱うための直接的な知識は必要ありません。emailパッケージは、MIME やその他の RFC 2822 に基づくメッセージ文書を含む電子メールメッセージを管理するためのライブラリです。実際にメッセージを送信したり受信したりするsmtplibやpoplibと違って、email パッケージには (添付文書を含む) 複雑なメッセージ構造の構築やデコードを行ったり、インターネット標準のエンコードやヘッダプロトコルの実装を行ったりするための完全なツールセットを備えています。jsonパッケージはこの一般的なデータ交換形式のパースをロバストにサポートしています。csvモジュールはデータベースや表計算で一般的にサポートされている CSV ファイルを直接読み書きするのをサポートしています。xml.etree.ElementTree、xml.domならびにxml.saxパッケージは XML の処理をサポートしています。総合すると、これらのモジュールによって Python アプリケーションと他のツールの間でとても簡単にデータを受け渡すことが出来ます。sqlite3モジュールは SQLite データベースライブラリのラッパです。若干非標準の SQL シンタックスを用いて更新や接続出来る永続的なデータベースを提供します。国際化に関する機能は、
gettext,locale,codecsパッケージといったモジュール群でサポートされています。